先に立場を書きます
この記事を書いているのは 18LIVER — 18 歳以上を対象にした配信のサービス提供事業者です。 つまり 私たちも記事で集客している側 です。 だからこの記事の最後で、 ここに書いたチェック項目を 18LIVER 自身にも当てます。 そこまで読んでから判断してください。
「ライバー事務所 おすすめ」 で検索すると、 ランキング形式の記事がずらっと並びます。 読むと どれも丁寧で、 表もあって、 それっぽい。 でも 5 本くらい読むと気づきます。どれも同じことが書いてある。 順位だけが違う。
偶然ではありません。 同じ製造工程で作られているから です。 その工程を、 隠さず順番に書きます。
ランキング記事ができるまでの 8 工程
キーワードを decide する (= 記事の中身より先)
「ライバー事務所 おすすめ」 「ライバー事務所 ランキング」 のように、 検索数が多くて商業意図の強い語を先に決めます。 つまり 書きたいことがあって書くのではなく、 検索されている語があるから記事が生まれる 順番です。
手法名: キーワードファースト
上位 10 記事の見出しを全部抜き出す
既に上位にある記事の見出し (h2/h3) をツールで一括抽出し、 一覧化します。 「この語で上位にいる記事は、 だいたいこの話題を書いている」 という地図を作る工程です。
手法名: SERP 分析
抜いた見出しをマージして、 自分の構成にする
10 記事分の話題を合体させて、 どこよりも項目数が多い構成を作ります。 これで「網羅性が高い記事」 の完成。 ただし中身は 既存記事の合成物 なので、 新しい情報は 1 つも増えていません。
手法名: 寄せ集めコンテンツ
外部ライターに発注する
作った構成をクラウドソーシングで発注します。 単価は文字あたり数十銭〜数円が一般的で、 受注するのは多くの場合 その業界の経験がないライターです。 経験がないので、 書けるのは各社の公式サイトに載っている情報だけになります。
手法名: コンテンツファーム
「編集部」 と 「監修」 を足す
書いたのは外部ライターでも、 署名は 「◯◯編集部」 になります。 さらに肩書きのある人の名前を 監修 として置くことがありますが、 実際にどこまで確認したかは記事からは分かりません。
手法名: 名義付与 / 監修表記
順位を決める
ここが本体です。 ランキングの順番は、 記事を作った側と各社の 取引条件 で決まることがあります。 「編集部が選びました」 と書いてあっても、 選定基準そのものが公開されていなければ、 読者にはどちらか判別できません。
手法名: 成果報酬型ランキング
定期的に日付だけ new にする
「2026 年最新版」 と付けて更新日を書き換えます。 制度が変わっていれば直しますが、 日付だけ変えて中身は据え置き というケースもあります。 検索する側からは区別がつきません。
手法名: 鮮度の演出 (フレッシュネス)
同じ構成で、 別ドメインにもう 1 本作る
1 本当たれば、 同じ工程を別ドメインで繰り返します。 検索結果の 1 ページ目に、 実質同じ製造元の記事が複数並ぶのはこのためです。
手法名: サテライトサイト / PBN
たとえるなら、 クラスの上位 10 人のレポートを集めて、 全部の項目を合体させた レポートを提出する ようなものです。 一番厚い。 一番項目が多い。 でも 1 行も自分で調べていない。
なぜこの作り方が成立してしまうのか
読み手からは 工程が見えない からです。 完成品だけを見ると、 自分で全社に取材して書いた記事も、 上位 10 記事を合体させた記事も、同じ顔をしています。 表があって、 比較があって、 監修者名がある。
前回の記事で書いた 情報の非対称性 が、 ここでも効いています。 作った側は工程を全部知っているが、 読む側は 1 つも知らない。
Google はこれをどう扱っているか
この作り方の一部は、 検索エンジン側が 明確に問題として名指ししています。 Google はスパムポリシーで以下を挙げています。
- 無断複製されたコンテンツ (Scraped Content)
他サイトの内容を集めて再構成しただけで、 独自の価値を加えていないもの。 - 大量生成されたコンテンツの不正使用 (Scaled Content Abuse)
検索順位を上げることを主目的に、 大量にページを作る行為。 2024 年に明文化されました。 - サイトの評判の不正使用 (Site Reputation Abuse)
評価の高いドメインの一角を借りて、 本体と無関係な集客ページを置く行為。 いわゆるパラサイト型。 これも 2024 年に明文化。 - リンクスパム (PBN 含む)
自作の複数サイトから本命へリンクを送り、 支持されているように見せる行為。
つまり この製造工程は、 検索エンジン側から見ても正規の手法ではありません。 それでも残っているのは、 検出と対策のいたちごっこが続いているからです。
法律側の線引き
日本では 2023 年 10 月 1 日 から、 広告であることを消費者が判別しにくい表示 (= ステルスマーケティング) が景品表示法の規制対象になりました。 「事業者の表示であるにもかかわらず、 第三者の感想のように見せる」 のは現在は違法行為 です。
また、 実際より著しく良く見せる 優良誤認表示 (景表法 5 条 1 号)、 取引条件を実際より有利に見せる 有利誤認表示 (同 2 号) も禁止されています。 条件を極小の注釈に押し込むのはここに該当し得ます。
注意点として、 「アフィリエイト記事である」 こと自体は違法ではありません。 広告であることが分かるように書かれていれば問題ない。 問題になるのは 広告なのに広告と分からないようにする ことと、事実と違う good さを見せる ことです。 ここは分けて考えてください。
30 秒で見抜く チェック 8 項目
工程が分かれば、 完成品からその痕跡を探せます。 順番に見るだけで判別できます。
- 1. 書いた人が 「編集部」 だけになっていないか
個人名も経歴もない場合、 工程 05 の可能性。 - 2. 監修者が、 その業界の人か
肩書きがあっても畑違いなら、 中身は確認されていない可能性がある。 - 3. 「取材した」 の具体が書いてあるか
いつ・誰に・どう聞いたか。 これがなければ取材ではない。 - 4. 全社の情報が、 同じ粒度で並んでいないか
公式サイトの表から写すと、 全社きれいに同じ項目が埋まる。 実際に調べると必ずムラが出る。 - 5. 順位の基準が明記されているか
基準がない、 または 「編集部の独自基準」 だけなら、 基準を書けない理由がある。 - 6. 数字に出典があるか
還元率も振込日も、 出典 URL がないなら検証できない。 - 7. 他の記事と見出しが一致していないか
2〜3 本並べて目次を比べると、 工程 03 が一目で分かる。 - 8. デメリットが具体的か
「人によっては合わない場合も」 は デメリットではなく体裁。 条件が書いてあるかを見る。
この 8 項目を、 18LIVER 自身に当てます
自分で作った物差しから逃げるのは筋が通らないので、 当てます。
| 項目 | 18LIVER の場合 |
|---|---|
| 1. 書いた人 | HARII WARRIORS INC. の自社記事。 会社情報 を公開。 匿名メディアではありません。 |
| 2. 監修者 | 置いていません。 名義を借りるくらいなら書かない方針です。 |
| 3. 取材の具体 | 前回記事では、 いつ・何を検索し・どのサイトを開いたかを URL 付きで開示しています。 |
| 4. 情報の粒度 | 自社の条件は細かく、 他社は書きません。 書ける精度に差があるためです。 |
| 5. 順位の基準 | ランキング記事を作りません。 客観化できない順位を付けないためです。 |
| 6. 数字の出典 | 自社の条件は 登録前のページ に掲載。 登録後は日々の売上と月 2 回の PDF 明細で照合できます。 |
| 7. 見出しの一致 | この記事の構成に一致する既存記事は、 調べた範囲ではありませんでした。 |
| 8. デメリット | 配信頻度が低いと成果が出にくいこと、 18 歳以上対象で全年齢向けとは客層が違うことを明記しています。 |
正直に言えば、 4 番は弱点です。 他社の条件を並べないので、 比較記事としては不完全になります。 これは 意図的な選択 です。 自社に有利な切り口で他社を並べたら、 それは工程 06 と同じことをしているからです。 比較したい場合は、 各社の公式情報を直接見比べてください。 この記事の 8 項目が、 そのときの道具になれば十分です。
続けて読む
※ 本記事は Web マーケティングで一般的に用いられる制作手法とその名称を解説したもので、 特定の事業者・サイトが違法行為や不当表示を行っていると指摘するものではありません。 検索エンジンのポリシーに関する記述は Google 検索セントラルの公開ポリシーに、 法令に関する記述は景品表示法および消費者庁の公表資料に基づきます (2026 年 7 月時点)。 制度・ポリシーは変更される場合があります。 最終的な判断はご自身で各社の公式情報をご確認ください。

